時短!実践ChatGPT書評作成講座

中小企業診断士として、常に最新の情報をキャッチアップし、それを分かりやすく発信することは重要な役割の一つです。しかし、日々の業務に追われる中で、質の高い情報発信を継続的に行うのは容易ではありません。特に、noteやブログなどのプラットフォームを活用した情報発信は、専門家としての信頼性を高め、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性がある一方で、その準備には相当な時間と労力がかかります。

ここで注目したいのが、生成AIの活用です。特に、書評作成において生成AIは大きな力を発揮します。今回は、2024年7月5日に公表された「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック(以下、ガイドブック)」を題材に、ChatGPTを使用した効率的な書評作成の方法をご紹介します。

ChatGPTを活用した書評作成の実践

まず、有料版の「ChatGPT-4o」を使用。ガイドブックをアップロードし、以下のようなプロンプト(指示文)を入力しました:

あなたは中小企業診断士です。まずは添付した資料を読み込んでください。読み手は中小企業診断士や経営者です。彼らが添付資料に興味を持ち、(当添付資料は無料ですが)お金を払ってでも読みたくなるように彼らの関心事に紐づけた要約と、どこに着目して読むべきかのガイドを前からページ順に示したものを300文字で作成してください。さらに、読者が思わず読んでしまうようなタイトルをつけて書き始めてください。

このプロンプトに対して、ChatGPTは以下のような回答を生成しました:

タイトル: 生成AI活用ガイドブック: 中小企業のためのコンテンツ制作革命

要約: このガイドブックは、中小企業の診断士や経営者が生成AIを活用してコンテンツ制作を効率化し、創造性を高める方法を解説します。特に、ゲーム、アニメ、広告の各産業における具体的な利用ケースと法的留意点に重点を置き、知的財産権の保護を踏まえた上での適切な利活用を提案します。実際のビジネス現場での適用例を通じて、生成AIの効果的な使い方を学びましょう。

ガイド:

  1. 生成AIの適切な利活用に向けて(p05)
    • 内容: 生成AIの基本的な使い方と利点、クリエイティブな活用法。
    • 着目点: AIがコンテンツ制作にどのように役立つか、具体的な事例を確認。
  2. 各産業の活用シーンと留意点(p23)
    • 内容: ゲーム、アニメ、広告の各業界での生成AIの具体的な活用例とその注意点。
    • 着目点: 実際の業務でどのようにAIを活用し、どのような問題に注意すべきか。
  3. AIと著作権に関する考え方(p57)
    • 内容: AIを利用したコンテンツ制作における著作権問題の解説。
    • 着目点: 著作権侵害を避けるための具体的な対応策と法的ガイドライン。

このガイドブックは、最新の生成AI技術を理解し、ビジネスに応用したいと考える経営者や中小企業診断士にとって必読の内容です。具体的な事例や法的留意点を網羅しており、実務に即したアドバイスを提供します。

生成された書評の分析と活用

ChatGPTが生成した書評を見ると、以下のような特徴があることがわかります:

  1. キャッチーなタイトル:「生成AI活用ガイドブック: 中小企業のためのコンテンツ制作革命」というタイトルは、読者の興味を引きつける効果があります。
  2. 簡潔な要約:ガイドブックの主要な内容を、対象読者(中小企業診断士や経営者)の関心に合わせてまとめています。
  3. 構造化されたガイド:ページ順に主要なセクションを紹介し、各セクションの内容と着目点を明確に示しています。
  4. 読者へのアピール:最後に、このガイドブックが読者にとってなぜ重要なのかを強調しています。

この生成された書評は、そのまま使用できる質の高いものですが、専門家として以下のような編集や追加を行うことで、さらに価値を高めることができます:

  1. ページ番号の確認:AIが生成したページ番号が正確でない(ハルシーネションといいます。)可能性があるため、実際のガイドブックと照らし合わせて確認し、必要に応じて修正します。実際上記は間違っています。
  2. 業界特有の視点の追加:中小企業診断士としての経験や知識を活かし、特定の業界や企業規模に関連する具体的なコメントを追加します。
  3. 最新のトレンドとの関連付け:生成AIの最新動向や、関連する法規制の変更などについて、補足情報を加えることで、書評の時事性を高めます。
  4. 個人的な見解の追加:ガイドブックの内容に対する個人的な評価や、実務での適用可能性についてのコメントを加えることで、書評に独自性を持たせます。
  5. 読者へのアクションの呼びかけ:書評を読んだ後、読者に何を期待するのか(例:ガイドブックの詳細な閲覧、生成AIの試用など)を明確に示します。

このように、ChatGPTを活用することで、書評作成の初期段階を大幅に効率化することができます。生成された内容をベースに、専門家としての知見を加えることで、短時間で質の高い情報発信が可能になります。

ただし、AIの出力をそのまま使用するのではなく、必ず人間の目で内容を確認し、必要な編集や追加を行うことが重要です。また、著作権や情報の正確性にも十分注意を払う必要があります。

生成AIを活用した効率的な情報発信は、中小企業診断士の業務効率を高めるだけでなく、クライアントへのより迅速で価値のある情報提供にもつながります。この手法を活用し、継続的な情報発信を通じて、専門家としての価値を高めていきましょう。

補遺:生成AIの練達のために

生成AIを使いこなすには、「質問力」と「編集力」が鍵となります。質問力は望む文章を引き出す能力で、AIとの対話のくり返し、いわば「壁打ち」をすることでその特性を把握し向上させます。一方、編集力は読者を惹きつける文章を作る技能です。編集力の向上には、自身の専門性を深めるとともに、様々な分野の興味深い文章に触れるなど、幅広いインプットが不可欠です。

ここで重要なのは、AIは書き手の能力を超える文章は生み出せないということです。むしろ、口下手な人のための眼鏡のような補助具と考えるべきです。AIと人間の能力を適切に融合させることで、より質の高いアウトプットが可能となります。

効果的なAI活用には、自身の専門分野での深い知識と、AIの特性理解が重要です。AIの提案を鵜呑みにせず、批判的に評価し、自らの洞察と組み合わせることで、独創的なアイデアが生まれます。また、AIとの対話を通じて、自身の思考プロセスを明確化し、新たな視点を得ることもできるでしょう。

AIを理解し、自らを高める。この二つの歯車がかみ合うとき、我々の業務効率は飛躍的に向上するでしょう。

 

笠井 健一 (診断士番号 411〇〇〇)

アプリ活用研究会代表。箕面商工会議所の経営指導員として事業者の「めんどくさい」を無くすことを至上の目的とする。コスパ・タイパを求め、業務で使えるアプリ研究に余念がない。座右の銘は「怠惰を求めて勤勉に行き着く」